サンドイッチ淑女とドーナツ紳士

つまんねぇよ!と叫びたい衝動と静寂。

あきたびじょん。が示すもの。

「あれ…この人見覚えがある…」

図書館の芸術・デザインコーナーの前で頭をひねる。

梅原真さんをご存知だろうか?

彼は高知を中心に、第一次産業いわゆる農林漁業の生産者や役場などからの依頼を受け、パッケージデザインはもちろん企画プロデュース・雑誌編集・地域再生する地方に根付いたデザイナーである。

私は何年か前にNHKの『プロフェッショナル仕事の流儀』でその存在を知り、
「デザイナーっぽくない風貌の方だなぁ」
「デザインの仕事で、鶏が駆け巡る映像が出てくるとかおもしろいなぁ」
と思い、印象に残ったようで
頭の中の引き出しから、ぽろりと梅原真さんの姿が現れた。

田舎を意識するようになってきて、梅原さんの本を読むようになった。

そんな折に、梅原さんを通してステキな雑誌に出会ってしまった!!

それが、秋田県の公式フリーマガジン
『のんびり』
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ふと手に取ったその冊子は、梅原さんが手掛ける秋田PRの中で描いた『あきたびじょん』を軸に、秋田らしさを紹介していく公報誌だ。

県の広報誌って読み物としてのおもしろさって期待したことなかった。
てか、むしろ触れる機会もないし。

しかしながら、この広報誌を読み進めるうちに自由度の高い取材により、財政や取り組みの前に『人』が見える編集に心を動かされる。

とくにビックリしたのが、
秋田県知事の持つ『人』としての魅力に度肝を抜かれた。
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これも、のんびりイズムがなせる業か…。

グローバルの中で競争は避けられない。しかしながら、分かち合いもなければ人間は疲れてしまう。分かち合いを理解するためには、人間たる素養が必要。田舎はその要素が高い。
その能力を尊重しながらも、常に更新していくことが大切。

その中で発信方法として
のんびりイズムを作ればいい。
東北の仲間を作って、地方から東京首都圏を包囲しちゃうえばいい。と語る。

ひゃーおもしろい(n´ω`n)

広報誌もその軸をしっかり汲み取ってるからこそ深みがあり、読み応えがあるんだろうな。

梅原さんを意識してなかったら、
秋田の広報誌を読むこともなかっただろう。笑 

地方のあり方を見せてくれる素晴らしい一冊であり、都会に住まう田舎ものとして、何ができるのか考えさせられた。